[コラム] マンションのバルコニー間の天空率計算
バルコニーの間の小さな空間で、NGの結果がOKになることもあります。
今回は、天空率算定において小さな空間を拾うと、NGな計算結果がOKになるケースをご紹介します。
天空率算定の最終的な判断は、投影された天空図に対して、面積の根拠となる三斜求積の結果で、適合建築物の天空率より、計画建築物の天空率が上回っていることを確認します。
バルコニーの間の小さな空間を三斜求積計算するかしないかで、算定結果に差が出ます。
マンションのサンプル例で見てみましょう。
【バルコニーの間を考慮せずに包絡させた場合】
バルコニーの間を抜かず、直方体の状態で天空率計算を行います。こちらはADS-winでの操作画面ですが、ブルーが計画建築物、ピンク色が適合建築物になります。
計画建築物での空が見える割合が、適合建築物より同等以上の割合であれば、天空率がクリアされていることになります。
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天空率計算の結果、外側の測定点がNGとなりました。
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天空率の結果がNGとなる測定点の天空図を確認します。
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天空図を見ると、当然計画建築物のバルコニーの間の空間は抜けていません。
次に、バルコニーの間の空間を抜いた場合のケースを見てみましょう。
【バルコニーの間の空間を抜いて計算した場合】
バルコニーの間の空間を抜いて計画建築物をモデリングし、天空率計算を行います。
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外側の測定点が最も厳しい結果となりましたが、天空率計算はOKとなりました。
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測定点から天空図を見ると、計画建築物のバルコニーの間の空間が抜いた状態で天空図に反映されています。
細かな空間ですが、三斜求積計算がされていることがわかります。
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このサンプルでは、バルコニーを包絡した天空率計算の結果[計画-適合]は-0.005%でしたが、バルコニーの間の空間を抜いて天空率計算をすると[計画-適合] +0.095%となり、バルコニーの間の小さな空間が、天空率算定結果に影響があることをご理解いただけたかと思います。
こうした細かな空間を抜いての計算処理はフリーソフトでは難しく、天空率計算専用システムを導入する大きなメリットでもあります。
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