日影規制の考え方と申請図の作成方法
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note記事のバックナンバーです。
~幹線道路沿い商業地域+隣接する住居系地域の場合~
計画地が商業地域で日影規制が対象外であり、離れた北側敷地に住居系地域の日影規制が存在するということはありませんか?!
自分の計画地が無規制の日影制限であると思い込み、ある程度
計画が進んだところで隣地に日影規制のあることに気づいたとしたら
とても大変な事態になります。
そうならないように あらかじめ調査等が必要です。
そんな計画地を例に挙げたADSを使用した申請図の書き方ポイントを
ご案内します。

1.前提条件(東京23区を想定)
商業地域は原則として日影規制の対象外です
(建築基準法第56条の2)。
しかし、実務上問題になるのは次のケースです。
敷地が幹線道路に接し、前面は商業地域(無規制)で、
敷地の奥側が住居系用途地域に隣接しています。
この場合、
計画敷地内では無規制(商業系地域)
しかし、隣地(住居系地域)には日影規制が適用される
という状況になります。
ここで必要になるのが
日影規制分割線を用いた検討です。
2.基本的な考え方
■ ポイント
日影規制は
「日影を生じさせる建築物の敷地」ではなく
「日影を受ける用途地域」に対して規制される
という点が重要です。
つまり、
商業地域内に建つ建物であっても
その日影が住居系地域に落ちる場合は
住居系地域側の規制時間・測定高さで検討する
必要があります。
3.日影分割ラインとは
日影分割ラインとは、
用途地域の境界線を基準に
「規制が変わるライン」を明確にして
日影を分けて検討するための線です。
今回のケースでは、この用途地域境界線が
日影分割ラインになります。

4.検討手順(実務フロー)
Step ① 用途地域境界を正確に図示
配置図・日影図に
用途地域境界線や敷地境界線
を明示します。
※東京都は用途地域境界が道路中心や筆界と一致しないこともあるため、
都市計画図で確認必須です。
Step ② 規制対象区域を明示
住居系地域側に
測定高さ(例:4m)
規制時間(例:5h-3h、4h-2.5h等)
を明示します。
商業地域側は
→ 「日影規制なし」と注記
Step ③ 日影分割ラインを基準に影を分ける
重要ポイント:
日影図を作成した際、
商業地域内に落ちる影は無視できる
住居系地域内に落ちる影のみ検討対象
となります。
そのため、
作図上の工夫
用途地域境界線を太線で表示
住居系地域側をハッチング
日影時間曲線(等時間線)を重ねる
規制時間を超える部分がないか確認



5.次に具体的な説明文の例です。
【事例】幹線道路沿い商業地域+背後住居系地域
本計画地は幹線道路に接し、前面は商業地域(※日影規制なし)、
背後は第一種住居地域(日影規制あり)に接しています。
本件では以下の考え方で検討を行いました。
① 商業地域部分
商業地域は日影規制の対象外のため、
当該区域内に生じる日影は規制対象外とします。
② 住居系地域部分
用途地域境界線を「日影分割ライン」として設定し、
住居系地域側に生じる日影のみを対象として検討します。
測定高さ:4m
規制時間:5時間-3時間
日影図において、
住居系地域内で規制時間を超える部分がないことを確認しました。
6.申請図の書き方(図面表現例)
図面には以下を明示すると審査がスムーズです。
必須記載事項
□ 用途地域境界線(太線)
□ 各用途地域名
□ 測定高さ
□ 規制時間
□ 冬至日
□ 真北表示
□ 縮尺
□ 日影分割ラインの説明注記
注記例
※本建物は商業地域内に位置するが、
隣接する住居地域に対する日影について
建築基準法第56条の2に基づき検討を行った。
7.よくある誤解
× 商業地域だから日影検討は不要
→ 隣地が住居系なら必要
× 敷地が商業地域なら全て無規制
→ 日影は「影を受ける側」で判断
× 敷地境界で分ければよい
→ 分けるのは「用途地域境界」
※ADSでは与条件設定で用途地域だけではなく日影規制での
条件設定が必要です。
8.まとめ
✔ 商業地域でも隣接住居系があれば日影検討は必要
✔ 用途地域境界=日影分割ライン
✔ 規制対象は住居系側のみ
✔ 図面上で明確に分けて示すことが重要
■参考資料:建築memo 2025 建令153の13
■よくある質問「教えて!エディエスくん」Q_065
規制ライン外に日影分割線がある場合の逆日影の計算方法が知りたい。
■【ADS10】1分解説/日影規制領域が2以上ある場合の計算方法
~2026/02/16現在~