[コラム] 戸建ての軒下の天空率計算
軒下の間を考慮すると、NGだった計算結果がOKになることがあります。
今回は、天空率算定において小さな空間を拾うと、NGな計算結果がOKになるケースをご紹介します。
天空率算定の最終的な判断は、投影された天空図に対して、面積の根拠となる三斜求積の結果で、適合建築物の天空率より、計画建築物の天空率が上回っていることを確認します。
軒下の間の小さな空間を三斜求積計算するかしないかで、算定結果に差が出ます。
二階建て住宅のサンプル例で見てみましょう。
【軒下の間を考慮せずに包絡させた場合】
軒下の間を抜かない状態で天空率計算を行います。こちらはADS-winでの操作画面ですが、ブルーが計画建築物、ピンク色が適合建築物になります。
計画建築物での空が見える割合が、適合建築物より同等以上の割合であれば、天空率がクリアされていることになります。
|
天空率計算の結果、外側の測定点がNGとなりました。
|
|
天空率の結果がNGとなる測定点の天空図を確認します。
|
天空図を見ると、当然計画建築物の軒下の間の空間は抜けていません。
次に、軒下の間の空間を抜いた場合のケースを見てみましょう。
【軒下の間の空間を抜いて計算した場合】
軒下の間の空間を抜いて計画建築物をモデリングし、天空率計算を行います。
|
|
外側の測定点が最も厳しい結果となりましたが、天空率計算はOKとなりました。
|
|
測定点から天空図を見ると、計画建築物の軒下の間の空間が抜いた状態で天空図に反映されています。
細かな空間ですが、三斜求積計算がされていることがわかります。
|
軒下の間の小さな空間が、天空率算定結果に影響があることをご理解いただけたかと思います。
こうした細かな空間を抜いての計算処理はフリーソフトでは難しく、天空率計算専用システムを導入する大きなメリットでもあります。
※包絡処理の扱いについては、事前に審査機関へご確認ください。
生活産業研究所 コラム
本サイトに掲載されているすべての内容の著作権は生活産業研究所株式会社に帰属しております。 本サイトの掲載内容(画像、文章等)の一部及び全てについて、無断で複製、転載、転用、改変等の二次利用を固く禁じます。 上記著作権の無断複製、転載、転用、改変等が判明した場合は、法的措置をとる場合がございます。