ユーザー事例 vol.2
株式会社Oo設計


EPCOT ADS USERS vol.2 / Oo設計

 株式会社 Oo設計  -ADS-win 活用事例-


導入企業事例
4 層建物で敷地と道路に高低差があり、平均 GL を考慮しながらの日影検討の事例 プラン計画段階から逆日影を検討していきながら計画を進めた


会社概要

社名/株式会社 Oo 設計 設立/ 2019年 6月
代表/代表取締役 小川裕二 オフィス/神奈川県川崎市
所員数/3名(2023年4月現在)
事業内容/住宅・共同住宅設計、建築確認申請、性能関係申請、構造設計ほか
http://oosekkei.com/


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導入企業事例

Oo設計 代表/小川裕二 氏

年間 100 棟余の建築確認申請を実質 2 名で処理
ADS-win をフル活用して効率化&事業拡大へ

「しっかり休む」ための戦略と効率化

 神奈川県川崎市の株式会社 Oo 設計は、小川裕二氏が主宰する建築設計事務所である。「Oo」という社名は、小川氏の家作り理念である「only one, one by one」に由来する。すなわちどんな住宅も一つとして同じものはない、だからこそ唯一無二の設計を一つ一つ丁寧に手がけていきたい、という思いが込められている。
 「もっとも当社の主業は一般的な設計事務所のそれとは少し異なっています」と小川氏は語る。「業務の中心はハウスメーカー等の各申請業務のサポートなのです。実際、建築確認申請等を中心に年間 100 件くらい行っていますね」。扱う物件は全体の 9 割が戸建て住宅で、エリア的には東京を中心に千葉、神奈川、埼玉等が中心となる。つまり、首都圏の戸建住宅設計の、特に確認申請業務に特化した設計事務所なのである。このユニークな 事業展開の背景には、小川氏が重視するもう一つの企業理念がある。
 「申請業務の支援が中心なので顧客はハウスメーカー等となり、施主と直接やりとりする機会はほぼありません。通常はこの直接のやりとりを重視するものですが、当社ではあえてそこを避けました。なぜなら、まず従業員が満足できる労働環境としたいから。つまり、しっかり休ませたいんですよ」。施主相手の業務では土日祝日に対応が求められ、打合せの時間も不規則になりがちだ。複雑多岐にわたる業務内容も相まって「ブラック」化する職場も少なくない。だが、そんな現状を小川氏は良しとしなかった。
 「もちろん設計は好きですがハードワークは嫌いです。9 時~ 18 時とか土日祝休みとか、きちんと決めてその範囲で働きたい。それを実現する方法を考えた結果が現在のスタイルです」。そう言って小川氏は具体的な業務の流れを教えてくれた。まず新築物件のプランはハウスメーカーが作るが、施主への提案前に相談を受けることもある。「この敷地でこのプランが成立するか」「天空率でクリアできるか」「構造面は大丈夫か」等々法規面の検討を依頼されるのだ。
 「顧客のビジネスを左右する問題だけに素早く適確な対応が求められます。そして、その結果を元にハウスメーカーは施主と打ち合わせてプランをまとめ、設計を進めます。私たちの再度の出番はさらにその後。実施図関係や構造図の作成、そして確認申請の作業です」。実は同社では産休中の社員もおり、現在は実質 2 人体制。この状態で残業や休日出勤せずに年間 100 棟余を処理するには、業務効率をとことん高める必要があった。そこで大きな力を発揮しているのが、天空率を自動生成し日影計算を行い、確認申請書類まで出力する ADS-win なのである。

導入企業事例

天空率確認申請図のチェック


導入企業事例

打合せの風景

敷地データがあれば CAD でさっと仕上げて ADS-win で読み込みます
その段階でもう等高線を出せるし、プランがあれば天空率も出せるんです

独立と共に念願の ADS-win 導入へ

 「ADS-win の導入は 4 年前。Oo 設計を立ち上げた少し後になります。でも、実はそのずっと前からこのツールに目を付けていたんです」。約 10年前、小川氏は Oo 設計と同じように、確認申請の支援業務を行っている設計事務所に勤務していた。Oo 設計ほどではないにせよ、天空率の活用が大いに必要となる仕事だったが、当時はこの天空率計算にも Jw_cad を用いていた。
 「当時の事務所ではそれが当り前でしたが、やはり Jw_cad で天空率を計算するのはシンプルに大変でした。一度入力してそのままクリアできればまだしも、できなければモデルから作り直すことになります。もしそれが 2 面道路の物件ならたちまち手間は 2 倍以上。3 面道路はもはや悪夢でした」。さすがに 3 面道路の物件は少なかったが、2 面で用途地域を跨ぐ物件には度々遭遇し、ただでさえ手間な Jw_cad 操作が何倍にも増え残業も多くなりがちだったと言う。
 「だから、ADS-win という天空率解析ソフトの噂には最初から興味津々でした。試用版等を試してすぐ、導入したいと社長に直訴しましたが採用に至らず、”まあ頑張れ” と言われて終わりでした」。その後も小川氏は天空率物件に数多く遭遇し、その度に Jw_cad で悪戦苦闘しながら計算し続けたと言う。そんな彼にとって、ADS-win の導入が念願となったのは当然だろう。
 「首都圏、特に東京を主戦場に年間 100 件余もの確認申請を行う当社は、天空率必須の物件にしばしば遭遇します。ですから我々にとってADSwin は既に必須ツールとなっています」。実際、同社が確認申請する年間 100 棟余のうち、30 ~ 40棟で ADS-win による天空率の解析を行っており、さらに斜線、逆日影計算や日影計算等の機能も幅広く活用するなど、各建築確認申請業務にダイレクトに活かしているのである。
 「最近は確認申請業務は社員に任せ、私自身は前述したプラン段階での法規面の規制チェックを担当しています。依頼主の要望はさまざまですが、最近は天空率のチェックだけでなく、規模の問題から日影をクリアしたいという依頼も増えています」。小川氏によれば、この場合は日影の等高線ラインを示し、”これくらいの高さでボリューム検討すればクリアしますよ” 等と敷地段階で提案・検討していくのだと言う。こうした物件は他にも多く、ADS-win の幅広い活用が、同社の業務の幅をも広げつつあるのだ。

導入企業事例

3 方向道路で天空率が厳しかったので細かく建物入力した事例


導入企業事例

角地 3 階建ての天空率検討


導入企業事例

道路の終端部分敷地で、一低層 3 階建てを検討した事例
どの部分に 3 階が立ちやすいか等高線にて提案

高度な効率化の実現と事業の拡大

 「Jw_cad 時代に比べ作業効率は大きく向上しています。特に検討内容が多くなるほど効率に差が付きますね。前述の 2 面道路や 3 面道路、用途境等がある面倒な物件ほど、ADS-win は力を発揮しています」。顧客の間ではこうした面倒な物件も、Oo 設計が嫌がらず「天空率で見てくれる」と口コミが広がっており、そうした物件の依頼が増えている。これらの案件は最終的に確認申請業務にも繋がるため、事業全体の拡大にも寄与するわけで、まさに理想的な循環ができつつある。──では、前述の基本理念「しっかり休む」職場環境についてはどうだろう?
 「みんな休めていますよ。私も 17 時前に帰って子どもを風呂に入れたり、遊び相手をしたり。ご飯も必ず家族揃って食べています」。もし、いまもJw_cad で天空率をやっていたら、年間 100 棟の確認申請はとても対応できなかったろうと小川氏は笑う。「きっと確認申請担当の社員が逃げ出すでしょうね。ちなみに彼は CAD も作図も未経験での入社でしたが、1 年少し経ったいま ADS-win をバリバリ使いこなしています。私は基本を教えただけで、後はマニュアルを見て自学習で操作を身に付 けました …… 感 覚 的 に使える敷 居 の 低さもADS-win の特長のようです」。最後に同社の今後の展開について聞いてみた。
 「まず 2025 年の 4 号特例縮小への対応ですね。外注でなく社内で対応するため、構造面の強化を図ります。また外皮性能計算についても社内で対応していく方向で、ツールの導入と人材採用を進めています。そして、これは将来的な目標ですが、不動産事業進出を検討しています。もちろん簡単な話ではありませんが、住宅業の出発点も不動産からなので、私たちもそこから入っていけたら面白いかな、と考えています」。

導入企業事例

ADS 利用者の實方 眞行氏


導入企業事例

ADS で日影検討をする小川 裕二氏


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※記載事項は予告なく変更することがございます。予めご了承ください。
※本事例で記載されている内容、部署名、役職は取材時のものです。