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■意外と知らないADSの5つのつかいかた
[画像データを利用した敷地入力]
・容積率の計算
・道路形状に伴う日影規制ライン
・分割線の入力
・方位の設定
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今回は、あまり知られていない機能(設定方法)や注意点をまとめてみました。
尚、弊社ホームページでは、ご契約者向けページにログインしていただくことによりFAQや操作のポイント解説等をご覧いただくことができます。
“ボリューム計算したいけれど敷地形状がCADデータになっていない”
そのような場合、大よその敷地形状が判別できる画像データを用いて敷地を
編集する機能があるのをご存知ですか?
下記が大まかな操作の流れとなります。
①インポートで画像データをインポート
・ファイルの種類のデフォルトがDXFになっていますので保存されている画像ファイル形式にして読み込みます
②本敷地編集でトレース
・背景表示された画像を見ながらトレース編集を行う
③それ以外のトレースできるものはトレース(不要な場合は④へ)
・分割線/方位/建物等、必要なものをトレースしておきます。④サイトフォーカスで”目標面積”を入力
・最初は②でトレースした際(スケール不明)の面積が”初期”及び目標”面積として表示されますが、”目標面積”に実際の数値を入力することで、相似形で形状補正を行います。事前に③で敷地以外の形状でADSで必要と思われる図形等もトレースしておくと一緒に処理されます。後は境界線条件(道路幅員)や都市計画条件(用途地域等)を設定することで斜線逆日影計算が可能となります。用途地域設定内に”容積率”の入力があります。高さ制限では、容積率で判別される”道路斜線適用距離”に利用されますが、ご存じの通り、容積率は都市計画上と容積率と前面道路幅員に対する低減係数より求められる容積率と比較して厳しい数値が採用されることになります。
手計算等により低減による数値(容積率)を直接入力しても問題ありませんが、ADSでは、境界線条件(道路幅員)の設定値で自動計算されます。
ADS-winでは、敷地面積表(与条件設定)内にある”採用容積率”の数値がこれに該当します。よって、ADSの用途地域内の容積率は都市計画上の容積率の入力であったとしても低減による計算も内部で行われ、厳しい方が天空率の適用距離に採用されるようになっています。
敷地形状及び道路幅員の設定により、自動的に生成される日影規制ライン(5m/10mライン)ですが、境界線条件における道路幅員は平行幅員のみの設定となりますので、通常は狭い幅員の設定(安全側)にしておく必要があります。しかし、緩和対象となる道路や水路等が複雑に接している場合は、自動生成では処理しきれないときがあります。ADS-winの場合は、日影規制ライン生成の元となる図=”みなし敷地(与条件設定内メニュー)”にて緩和範囲までを任意に図形編集してください。ADS-BTの場合は、別途CAD側にて任意に緩和を考慮した規制ラインを作図してください。
※ADS-BTは、システムによってみなし敷地の編集が可能なものもあります。
ADS-win及びADS-BT内での日影規制ラインに対しては、逆日影計算及び規制ラインチェックのためのチェックライン”として利用されていますが等時間日影に関しては、判定するためのラインでしかありませんので、CAD側で作成されたラインとの比較でも十分ご利用可能です。
ADSの条件設定では、エリアに対する条件として”用途地域・高度地区・地盤面・日影規制” があり、主に都市計画条件となります。用途地域が異なる場合等は事前に”分割線”を入力 することで、分けられたエリア毎に条件設定が可能となりますが、”日影規制”以外の分割線は、 敷地内での分割線しか認識しません。敷地外の規制が有効となるのは”日影規制のみ”となり ます。また、ADSではそれぞれでの分割線入力ができますので、用途地域が分かれていても高 度地区等が一緒であれば、用途地域のみの分割を行うことで設定が可能となります。分割線 の入力により細かくエリアが分かれてしまった場合でも、設定内容さえ間違っていなければ問題 ありません。
ADSで設定する方位は、ご存じの通り真北となります。ADS-winでは、与条件設定/方位で 設定し、ADS-BTは各ベースCADの北の値を採用しています。設定そのものは問題無いかと 思いますが、肝心なのは現在設定されている”北”が最終的な”真北”になっているかどうかとい うことです。スタディレベルで設定した”真北”の値は、最終的には異なってきますので、日影規制 が厳しい場合は正確な”真北”の設定になっているかが重要となりますのでご注意ください。
※共通→ADS-win(LAX/LA)及びADS-BT共通