ユーザー事例 vol.1
株式会社アトリエスイッチ一級建築士事務所


EPCOT ADS USERS vol.1 / atrier SWITCH

 株式会社 アトリエスイッチ一級建築士事務所 -ADS-BT for ARCHICAD 活用事例-


導入企業事例
レガリア香里ケ丘(木3共)ファサード


会社概要

社名/株式会社 アトリエスイッチ一級建築士事務所 設立/2018年11月
代表/代表取締役 完山 剛 オフィス/大阪府大阪市今市 アトリエ/大阪府大阪市今市
所員数/3名(2023年2月現在)
事業内容/一級建築士事務所:住宅他建築物のデザイン、設計、施工管理ほか
https://www.atelier-switch.jp/


PDFダウンロード ▶  設計事務所  ADS-BT for ARCHICAD

 

導入企業事例

atelier SWITCH
代表/一級建築士 完山 剛 氏(右)、中尾真大 氏(左)

独自の設計手法「BIM設計+天空率」を最大の武器に
"その敷地を最大限使える"提案で応え、着実に成長中

独自の設計スタイル「BIM+天空率」

 大阪府大阪市に本社を置くatelier SWITCHは、建築家 完山剛氏が主催する一級建築士事務所である。法人設立から5年目という若い事務所だが、施主の「暮らし」への想いや住まいへのこだわりを形にしていくことを標榜する注文住宅を主軸に「木三共」と呼ばれる木造三階建て共同住宅やオフィスビル、ホテル等々、多様な建築物の企画・設計により成長を続けている。現在は完山氏含め3名体制で、注文住宅と木三共を中心に年間10棟余を扱うに至っている。この躍進の原動力の一つが、ArchicadによるBIMとADS-BT for ARCHICADによる天空率を活用した独自の設計手法である。完山氏は語る。

 「大学を出て最初の会社がArchicadメインだったので、独立後も自然にこれを導入し使い続けています。一方、天空率に関しては、数年前にある物件で斜線制限をクリアできず、必要に迫られて使い始めました。でも、実は当初、Jw_cadでやっていたんですよ」。当時の同事務所には即座に天空率ソフトを導入する余裕もなく、完山氏はフリーウェアのJw_cadで天空率計算や申請図作成を行っていた。当然、完山氏自身も天空率についてかなり勉強したと言う。天空率の何をどう操作したらどうなるのか。実物件を通じてJw_cadに触れ理解を深め、力技で処理していたが、やがてそれにも限界がくる。

 「元々はBIM設計だったので3Dモデルはありましたが、それをそのままJw_cadに持っていくことはできません。配置図風にアウトライン化し簡素化してJw_cadに書き出していました。しかも、天空率で使うにはさらにもう一度Jw_cadで書き直す必要もあり、どうしても大きな手間がかかっていました。一方で、当時追い風が吹いていた木三共分野では天空率が必要とされるケースが増えていた。たとえば、それは不動産会社からの新しい売地に関する問い合わせから始まる。

 「良い売地が出たが、そこに1LDKか2LDKを3~4戸入れて何戸取れるか? と聞かれるのです。2階建てまでか3階まで行けるのか。3層を上までしっかり取れるプランが嵌まるのか......不動産会社にとって収支的に最も重要な問題です」。完山氏の回答を元に依頼主は土地購入を判断することになるから、完山氏はこの時点で斜線等の法的問題もいち早く押さえなくてはならない。

 「こうなると早さも求められ、Jw_cadによる天空率ではとても対応しきれません。天空率ソフトを使ってより効率的に進める必要がありました。そしてArchicadユーザーである私にとって天空率ソフトと言えば、まずADS-BT for ARCHICADだったのです」。

導入企業事例

エントランス外観 検討パース


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エントランス外観 竣工写真

どのような狭小・変形敷地の依頼でも技術とノウハウを結集し
"その敷地を最大限使える"ような提案で応えていきたい

Archicadのゾーン機能を利用し天空率を検討

 こうしてADS-BTforARCHICADを導入し天空率の活用を本格化した完山氏は、木三共を中心とする物件の企画・設計で天空率を活かしたBIM設計を展開。徐々に木三共だけでなく幅広い物件に応用していった。現在では、同事務所の取扱い物件の8割以上でADS-BT for ARCHICADによる天空率を活用するようになっていると言う。では、その独自手法による企画設計の基本的な流れを紹介してもらおう。

 「前述の通り、まずは不動産業者や建設会社から"良い土地があるんですが......"と声がかかって、"どんな木三共が建てられますか"と尋ねられることから始まります。ところが資料を見てみると、実際には到底良いとは思えない土地の場合も多いんです」。特に木三共分野では場所は大阪市内が多く、条件の良い広い土地であることは珍しい。大抵は狭小地や変形地で前面道路が極端に狭かったり入り組んだ細い形だったり、完山氏が「ひと目で天空率を使わざるを得ない!」と分かるような土地ばかりだと言う。

 「まずできるだけ多くの情報をもらって所内で共有し、スタッフに敷地を起してもらいます。そして、スケッチを描いて天空率の検討に取り掛かります」。この初期段階では、Archicadのゾーン機能を使うことが多いと完山氏は言う。ゾーン機能で入力する事により天空率計算や斜線制限、日影規制のチェックを行う事ができる為、初期段階のボリュームチェックを簡単に素早く把握できるのである。「2~3日あれば簡単なプランに仕上げて提案できますね。データは社内で共有しているし、所員の誰もがADS-BT for ARCHICADを使える点が大きいですね。当社ではArchicadもADS-BT for ARCHICADも使い方のルールを決めているので、そこさえ理解していれば入社1年目でも天空率を検討できるのです」。そんな完山氏の言葉に所員の中尾氏も頷く。

 「社長からこれを検討しておいてと言われたら、"行けてるか行けてないか?"くらいの判断はADS-BT for ARCHICADを使って20~30分でできます。だから急ぎでも負担にはなりませんね。手間がかかるのは実際に物件が動いた後、申請図の作成です」(中尾氏)。実はこの土地購入前の初期段階では依頼者との正式な契約も結ばれておらず、ギャランティ等が発生しないケースも多い。同社の提案に基づいて依頼者が実際に土地を購入し、同社に正式に設計依頼が来て初めて正式なビジネスとなる。しかも当然、全ての提案が土地購入に至るとは限らない。だが不発に終わったプランを含めて「無駄ではない」と完山氏は言う。

導入企業事例

ファーストスケッチプラン


導入企業事例

検討天空用簡易モデル トライ&エラーを繰り返し最適解を見つけだす


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実施設計時の詳細モデルによるアクソメ 意匠的に大事な部分は詳細にモデリングし確認しながデザインしていく


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申請天空率用詳細モデル 天空率で評価される雨どいや塀もしっかりと入力している

全ての蓄積を糧に次のステップへ

 「木三共のプランって結構いろいろな制約があるんです。隣地からの距離や避難距離を取るとか、階段の取り方でNGになったり......その土地にプランが入るか繰り返し検討し、スケッチを起すだけでも、実は凄く勉強になります」。その意味でこの作業はトレーニングに近いかもしれないと完山氏は語る。前述の通り没になったプランも多々あるが、そこにはユニークなものも数多くあり、atelier SWITCHのプラン集というべき情報資産として蓄積されていくのだ。

 「前述の通り、さまざまな条件の土地のプランを作ってノウハウも蓄積できたし、ADS-BT for ARCHICADによる天空率の活用法もだいぶ理解が深まりました。こうした蓄積は、全て当社の次のステップへ繋がっていくはずです」。特にそれらノウハウの集大成が「BIM+天空率」という設計スタイルとして確立されたことは大きな収穫だった、と完山氏は言う。「これは現在の業務内容に合った、本当に合理的な設計手法だと思っています。BIMの3Dデータを活かしてそのままADS-BT for ARCHICADで天空率を検討できるわけで。通常のように設計データを分ける必要もなく、プロジェクトデータの中で検討でき、図面をまとめていく上でも楽だし、形状を変えてもすぐ対応して天空用の簡易モデルを変えていける。すごく便利ですよね」。

 もちろん建築士事務所としての目標は、これからも「あなたの事務所にお願いしたい」と指名されて、施主と共に作りあげる注文住宅であることに変わりはない。だが、だからこそいまは「声をかけていただいた案件は全て拾っていく」姿勢で臨んでいきたいのだと完山氏は言う。

 「いまはどんな狭小・変形敷地の依頼でも、当社の技術とノウハウを結集して"その敷地を最大限使える"提案で応えていきたいですね」。

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確認申請天空率検討チェック図確認申請天空率検討チェック図


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※記載事項は予告なく変更することがございます。予めご了承ください。
※本事例で記載されている内容、部署名、役職は取材時のものです。