与条件設定項目を基に、天空率算定領域(高さ制限適合建築物・計画建築物・測定点)を自動生成します。この時に、簡易な操作で天空率の取扱い[JCBA方式]または[東京方式]へ対応した 設定を反映できます。天空率計算実行時には、全ての天空率算定領域を一括で計算可能です。 自動生成と一括計算によって、天空率解析の結 果を求めるまで の時 間が大 幅に短 縮され 、 スピーディーな設計が進められるようになります。
天空率を計算する上で非常に大切な要素として、適合建築物・測定ポイント・計算領域の生成が上げられます。この3つの計算条件を「手動」で生成するのか、「自動」で生成できるのかによって、シミュレーションの時間に大きな差が出てきます。ADSは各種自動生成により設計者の手間を省き、天空率計算を効率化する事ができます。
[手動タイプの計算ソフト]で天空率解析を行う事と[専用システムのADS]で行う事でどのようなメリットや時間削減ができるのか、下記の図もご覧ください。
ADS10から幅員が一定でない道路や複数の地盤面がある場合もJCBA方式に則した自動設定が可能となります。(一部対応できない場合もあります)
道路境界線に対して、始点側幅員・終点側幅員を設定することができるようになり、採用道路幅員が、容積率の算定や2以上の道路の緩和の判定の幅員となります。
ADS10から地盤面ごとに区域区分を行わない天空率算定領域の自動生成に対応し、複数の天空率算定領域を一つにまとめるグループの機能を強化しました。 従来は手動での設定が必要であった複雑な天空率算定領域の設定が容易になりました。
複雑な設定が必要であった天空率計算の設定【JCBA方式、東京方式】の一部自動化が可能です。 これにより、天空率解析の結果を求めるまでの時間が大幅に短縮され設計業務を効率的に行えます。
ADS10より、JCBA方式では算定を行わない 2以上の前面道路がある場合の大きい幅員の道路から令132条第3項の区域の天空率算定領域を自動生成しない設定を追加しました。
図の区域②の天空率算定領域を自動生成しない設定を追加しました。算定不要な天空率算定領域が生成されないため、天空率算定領域の確認や出力の設定の手間を軽減することができます。
天空率解析に関連する情報はシステム内に保存され、直感的に情報を管理する事ができます。再計算を行った場合、各種情報は自動更新されるため、天空率シミュレーションの繰り返しにストレスを感じることはありません。
天空率を利用した計画における申請には、通常”位置確認線”と呼ばれる天空図と配置図の整合性を確認するための標記が必要となります。ADSでは、自動もしくは手動による位置確認指定を事前に行うことにより、シミュレーション中に天空図とアイソメ図の両方に線分を表示することができます。
位置確認線の自動探索では、適合・計画の天空図上で必要なアウトラインを正確に捉えます。
天空率を用いた計画では、天空図に投影された建築物から変更箇所を察知できなければなりませんが、建築物の形状が複雑になると天空率に影響を及ぼす建物が、どの箇所なのかが判別しにくくなります。
ADSではこの位置確認線をアイソメ図でも同時に表示することにより、影響箇所をすばやく確認することが可能です。
あくまでも基本機能(処理)は自動生成ですが、行政指導等により自動生成では補えないケースが生じます。
ADSでは、自動生成された領域内に測定ポイント情報も保持した上で、適合or計画建築物を任意編集することが可能です。
また、測定ラインはピッチの変更も含め円弧ラインの作成と様々な状況にも対応可能です。また、適合建築物の平面形状を入力することにより計画建築物を自動生成することも可能ですので、他の手動方式システムと比べても作業効率が向上します。
適合建築物は、境界線から壁面後退位置までの間であれば、原則としてどの位置から立ち上げても構いません。距離の取り方により天空率が変動しますので、微妙な調整を必要とする場合はこの後退距離の考え方も重要となります。
ADSではデフォルトの生成は後退位置となりますが任意指定も可能となります。
“天空率ナビ”では、算定結果がアウトになっているポイント等からどの範囲(角度)が影響しているかが判るラインを算出します。指定されたポイントに対して天空率を「方位角(間口)」「仰角(高さ)」から安全率を考慮して逆算し、許容範囲となるラインを確認できます。また、計算されたラインで自動的にカットすることも可能です。更に、高さ(仰角)方向に関しては、クリアしているボリュームに対して何処まで積み上げられるかの逆計算も可能です。
逆天空率計算 ナビ機能
比較元となる適合建築物の天空率を上回る計画建築物になるように自動的にカットする機能です。カットの際は方位角(間口)と仰角(高さ)に対して割合の設定が可能です。
逆天空率計算 自動カット機能
天空率を比較する元となる適合建築物は、立上げ位置により天空率が異なります。行政庁によっては、敷地境界線から壁面後退位置までの間であればどこで立上げてもいい場合があり、その際、最適(天空率が一番小さくなる距離)な後退距離を算出します。適合建築物の後退距離を予め指定されたピッチ単位で適合建築物の天空率を逆計算し、最適な後退距離を逆計算する機能です。
隣地斜線の天空率算定において、隣地境界線を一つにまとめる方式を行う(一の隣地として扱う)場合の算定に準拠した「複合隣地」機能にも対応。
一の隣地(複合隣地)
[東京都再開発等促進区 隣地境界線 / 道路境界線 の取扱い]